お家ケアが必要な理由

【この記事で分かること】

  • 脂漏性皮膚炎を治すのが、難しい理由は何か?
  • 脂漏性皮膚炎のお家ケア法は、どんな方法?お家ケアが必須な理由は何?

 

本記事を読むと、上のつの疑問に対する答えを理解することが出来ます。

 

この病気の難しい点は?

脂漏性皮膚炎は、皮膚に赤い炎症がおき、脂(あぶら)でベトベトしたフケが生じる病気です。

 

頭皮では、大きなフケが、顔などの場合も、粉状の小さいフケを発生します。

 

原因が、皮膚の常在菌で完全除去が難しく、体中に広がりやすい

カビ(真菌)の一種、マラセチアと呼ばれる酵母が原因です。

 

マラセチアは、人の肌に存在する常在菌で、治療を中途半端にすると、

 

✔症状は、慢性化し再発を繰り返す
✔体中に広がる

 

この病気は、体の一部に症状が良く出ますが、再発を何年も繰り返していると、徐々に他の部位へ広がることがあり、早期に適切な対策をとり、体中に広がらないように対策をとることが大切です。

3つのリスク要因を避けられない

男性ホルモンのレベルが高い。
皮脂の分泌量が多い。
家族歴がある(家族内で皮膚炎患者がいる)

 

症状をくりかえす悪循環を簡単に断ち切れない

患部は、炎症をおこして皮膚が赤くなりかゆみをともないます。

そして、皮膚は、乾燥してかさつき、こすると簡単にはがれ落ちます。

 

頭皮の場合、フケの量が増え、洗髪してもすぐにフケが出るといった症状も見られます。

辛いものなど刺激物を食べると、かゆみとフケがでることもあります。

  

(参考)多い年代

人口の約11%が、脂漏性皮膚炎を患っていると言われています。

生後3か月未満の乳幼児、30歳から60歳の成人に多く発生します。

また、女性よりも、男性に多く見られます

 

皮脂腺の多い部位に発生し、その活動をコントロールできない

脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の密度の高い体の領域(例えば、頭皮をはじめ色々な体の部位)で、発生する可能性があります。

 

これらの部位は、皮脂腺の活動が活発で、皮脂の分泌量が多すぎると皮膚炎だけでなく、ニキビ、皮脂が酸化すると加齢臭がおきます。

 

頭皮、顔/額、鼻の付け根、耳の後ろの折り目、背中上部と胸部、へそ、眉毛、胸の下、腕、脚、鼠径部が、主な部位です。

 

【おススメ記事】

 

脱毛や薄毛のリスクが増す

男性の場合、脂漏性皮膚炎と脱毛症状を併発するケースがあります。

脂漏性皮膚炎と脱毛が一緒に起こると、市販のフケ対策用シャンプーでは効果が、出ないこともあります。

脱毛や薄毛に進行してしまうと、治療が困難になりますので、専門医の診断を受け、治療を受けるのが最善の方法です。

 

女性の場合は、女性ホルモンに保護作用があるため、脱毛症状が見られるのは多くはありません。

しかし、毛が細くなり、抜け毛が増えるため、薄毛に対する対策はしっかりすることが必要です。

 

 

 

お家ケア法は?

お家ケアで使うシャンプー

頭皮の場合には、抗真菌薬入りのシャンプーを使います

薬やシャンプーは、効果が期待できますが、肌質や皮膚の状態によっては合わないことがあります

 

1カ月程試して見て、効果がない場合は、別の商品に切り替えてみてください。

試して、逆に、状態が悪化した場合には、すぐに使用を中断してください。

 

もし、かぶれたり、何らかのトラブルが発生した場合は、医師に相談してください。

 

お家ケアで使う石鹸

自分の肌に合うモノで、低刺激の石鹸がおススメです。

洗顔中に肌に違和感があるもの(しみる、肌が乾く、つっぱる、など)は刺激が強すぎる可能性があるため避けます

 

お家ケア法が必須な理由

この病気は、カビのマラセチアに対する抗真菌薬さえ使えば治ると考えるのは、大きな落とし穴があります。

下の図の論文によると、治療のターゲットは、3つが関係していると言います。

①カビの増殖の他に、
②皮脂腺の活動、
③個人の感受性の影響

 そのため、1つだけ改善されても、他の項目が悪ければ、症状は悪化、あるいは、再発してしまいます。

そもそも、カビが増えた原因は、皮脂腺の活動が活発化し、分泌される皮脂量(カビのエサ)が増えたことにあります。

抗真菌剤で、カビの量が減少しても、常在菌のため、完全除去は出来ません。

しばらくすると、カビは再び増加し、元のレベルまで回復し、病気が再発します

 

また、個人の感受性(体質といった方がピンと来るかも)は、人によってずいぶん異なるため、感受性が高い人は、感受性が低い人に比べ、症状の改善効果がアップすると考えられます。

脂漏性皮膚炎と3つの要因

 

1 脂漏性皮膚炎およびフケの病因における素因およびそれらの相互作用。

J Clin Investig Dermatol. 2015 Dec; 3(2): 10.13188/2373-1044.1000019.

Seborrheic Dermatitis and Dandruff: A Comprehensive Review

(タイトル和訳)脂漏性皮膚炎とフケ:包括的なレビュー

 

 

生活習慣上の注意点は?

脂漏性皮膚炎の予防や改善のためには、日常生活のなかで注意できることが、たくさんあります。

 

栄養バランスの良い食事を摂り、症状を悪化させる食べ物を避ける

症状改善には、栄養バランスの良い食事をとることは、基本です。

ビタミンB群とビタミンCは、皮膚細胞の成長と代謝に役立ち、正常な皮膚の機能維持に必須です。

野菜や果物を食べる習慣が少ない20~30代では、ビタミン、ミネラル不足になるヒトがいます。

また、脂っこい食事を頻繁に多くとると、皮脂の分泌量が増え、マラセチアを増殖させ、症状が悪化することになります。

 

正しい洗顔で、バリア機能破壊を防ぐ

洗浄力が穏やかで、刺激の少ない石鹸を使います。

よく泡立て、泡でなでるように顔を洗うことが重要です。

洗顔後、顔を拭くときはタオルを軽く顔に当てて水分を拭き取ります

決して、こすらないようにします。

 

正しい洗髪で、バリア機能破壊を防ぐ

シャンプーで洗う前に、ブラッシングで汚れを取り、ぬるめのお湯だけで汚れを洗い流します。

この予備洗いだけで、髪の汚れの約半分は除けます

次に、抗真菌剤入りシャンプーを使って、指の腹で頭皮を軽くもむように洗います

5分間程、成分を効かせた後に、シャンプーの洗浄成分を、よく洗い流します。

【参考記事】

紫外線対策で、皮膚へのダメージを防ぐ

紫外線は、皮膚の細胞の遺伝子にダメージを与えます。

遺伝子にダメージを受けた細胞は回復が難しく、雑菌の繁殖で発生する免疫反応とは全く違い、深刻です。

紫外線の強い季節は、帽子や傘でしっかり対策することが大切です

 

睡眠を十分とる~睡眠不足を防ぐ

体の免疫細胞は、睡眠中に細胞分裂して回復します。

そのため、睡眠不足は、皮膚の免疫力を低下させます。

睡眠不足の対策として、週末に寝ダメをしても、体調管理には役立ちません。

夜更かしはせず、規則正しい生活を送りましょう。

 

 

一般的な治療法は?

家庭での最初のケアはうまく行かないことが多い

初めて、脂漏性皮膚炎になった時※、最初の症状は軽い炎症による赤らみやかゆみ程度なので、多くの人は、市販の軟膏で対処するでしょう。

※この時、菌検査を受けなければ、脂漏性皮膚炎かどうかの確定診断はできません。

 

病院で顕微鏡を使って菌検査をすれば、マラセチアがいるか否かは、比較的簡単に知ることができます。

 

皮膚のかさつきがある場合には、保湿クリームを使う方も多いでしょう。

 

一時的には、症状が軽減されるかもしれませんが、抗真菌薬でないとマラセチアの増殖は止まりません。

 

再発やクリームの刺激によって、かえって症状が悪化する可能性もあります。

 

炎症やかゆみが続く場合には、早めに受診し、正しい治療を受けることが大切です。

 

【参考記事】

 

病院で処方される一般的な治療薬

脂漏性皮膚炎の治療には、塗り薬の抗真菌薬とステロイドが用いられます。

 

抗真菌薬には、マラセチアの増殖や活動をおさえる効果があります。

 

ステロイドは、炎症反応を抑えることでかゆみを抑制します。

 

【参考記事】

まとめ~脂漏性皮膚炎を治すには、病気の原因に対するセルフケアが必要

  • 脂漏性皮膚炎を治すのが、難しい理由は何か?

   原因が、皮膚の常在菌で完全除去が難しく、体中に広がりやすい
   3つのリスク要因を避けられない
   症状をくりかえす悪循環を簡単に断ち切れない
   皮脂腺の多い部位に発生し、その活動をコントロールできない
   脱毛や薄毛のリスクが増す

  • 脂漏性皮膚炎のお家ケア法は、どんな方法?お家ケアが必須な理由は何?

   お家ケアで使うシャンプー
   お家ケアで使う石鹸 

  脂漏性皮膚炎の症状を改善する上で、生活習慣上の注意点は何か?
   栄養バランスの良い食事
   正しい洗顔をして、洗顔のし過ぎを防ぐ
   正しい洗髪をして、洗髪のし過ぎを防ぐ
   紫外線対策をして、皮膚へのダメージを防ぐ
   睡眠を十分とって、睡眠不足を防ぐ.

 

専門病院で診断を受けて治療薬を処方してもらっても、最初は症状が改善したが、しばらくすると思うように結果がでないという話は、よく聞きます。

脂漏性皮膚炎は、原因菌だけでなく、皮脂腺の活動と体質(個人の感受性の違い)が、関係しており、セルフケアの重要性が大きいと予想されます

 

しかし、個人に合ったセルフケアの方法は、患者ご自身で、自身の食生活習慣と向き合いながら進めるしかありません

食生活習慣の改善は簡単ではなく、効果が出るには時間がかかるので、地道な取り組みにはなると思いますが、必ず治ると信じて前向きに取り組みましょう。

おすすめの記事